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紹興酒の味の特徴・熟成期間による味の違い・料理の味のしあがり

更新日:2020年08月28日

紹興酒は、中華料理店では欠かすことのできないお酒です。実は飲んだことのない人も多いのではないでしょうか。今回は、その味や特徴から料理への活用法まで、紹興酒について幅広く解説いたします。紹興酒をもっと手軽に楽しんで、お酒にお料理に食卓の幅を広げてみましょう。

紹興酒の味の特徴・熟成期間による味の違い・料理の味のしあがり

もっと気軽に紹興酒!その味や特徴は?

紹興酒ってどんなお酒?

まず、紹興酒とは、どんなお酒なのでしょうか。紹興酒は中国の代表的な醸造酒で、日本でもっとも知られている中国のお酒の一つと言えます。

一般的には、蒸したもち米と小麦などを原料にした醸造酒のことを、中国酒の分類上「黄酒」(ホアンチュウ)と言います。さらに、この黄酒を長年熟成したものを老酒(ラオチュウ)と呼び、その中でも浙江省紹興で作られたものを「紹興酒」と呼んでいます。

黄酒は、長い中国の歴史の中でも、もっとも古いとされているお酒の一つで、その製造技術は日本へ伝わり、のちに日本の清酒となったといわれています。

老酒は、その名が示すように「ながく寝かせた」「熟成させた」お酒という意味ですが、紹興酒以外にも上海老酒、台湾老酒、福建老酒など地域によって味わいの異なる老酒があり、日本の地酒を思い起こします。

さらに紹興酒は、フランスのワイン、日本の純米吟醸酒と並んで「世界三大美酒」という人もいるほどです。

紹興酒には種類がある

まずは、紹興酒の種類について解説いたします。

紹興酒の原料は、主に「もち米」「麦こうじ」「水」となりますが、この基本原料以外に加える添加物と、その熟成期間によって大きく四つに分類されています。それが以下のようなものです。

・元紅酒

・加飯酒

・善醸酒

・香雪酒

この四種類のうち、私たち日本人が一般的に紹興酒として楽しんでいるのは、「加飯酒」(かはんしゅ)になります。

4種類の紹興酒の概要

まずはじめに、元紅酒(げんこうしゅ)は最も歴史が古く、伝統的な製法によってつくられたお酒です。もともとは、赤い甕のようなものに入れて売ってたことから、この名前で呼ばれました。紹興酒の基本ともいえるお酒で、そのほとんどは国外に出されることなく、中国内で消費されています。

加飯酒は、元紅酒に次ぐ歴史のあるお酒で、やはり伝統的な製法で作られています。元紅酒よりもち米を多く使うことから、加飯の名前が付けられています。最低でも3年は熟成させてから出荷されています。

善醸酒(ぜんじょうしゅ)は、仕込み水の一部に元紅酒を用いています。この製法は、アルコール分を増やすために用いられた製法で、糖分も多く、コクのあるお酒となります。香雪酒(こうせつしゅ)は、仕込み水の代わりに紹興酒の酒粕から作った焼酎を使用しています。

善醸酒と香雪酒は、仕込みと同時にアルコールを加えるため、みりんのように甘さが増します。

その他の代表的な紹興酒

これまで紹介した4種類の紹興酒のほかに、花彫酒と呼ばれる紹興酒があります。紹興では女の子が生まれると、上等の紹興酒をひと甕つくり、その家の庭に埋める習慣がありました。女の子が結婚するときに、その紹興酒を掘り起こし、甕に美しい絵を描き、お祝いの席でふるまわれました。

このお酒のことを、特別に花彫酒と呼んでいました。しかし、今では長期に熟成させて古酒となった紹興酒のことを花彫酒と呼ぶのが一般的になっています。

紹興酒の熟成期間による味の違いは?

紹興酒は度数が高い?

紹興酒はアルコール度数が高く、お酒に強くない人には手を出しにくいイメージがありますが、実は特別度数が高いお酒ではありません。むしろ、中国酒の中では度数の低いほうのお酒で、庶民に愛される手軽なお酒のイメージです。

では、一般的なお酒の度数を見てみましょう。まずはじめの一杯でおなじみのビールは、約5%です。さらにワインが9~12%程度、日本酒は15%と続きます。アルコール度数の高いイメージのお酒では焼酎が25%、ウィスキーやブランデーが40%前後となります。

紹興酒を先ほどの種類別に見てみると、元紅酒と加飯酒はだいたい15~17%前後、善醸酒は少し低めの13%、逆に香雪酒が最も度数が高く20%程度になります。

一般的に紹興酒として日本で楽しめるのは加飯酒ですので、だいたいワインよりも少し高め、日本酒と同じくらいと考えて良いです。もし香雪酒を飲む際には、飲みすぎに注意しましょう。

紹興酒の味の特徴は?

紹興酒の楽しみの一つに、熟成期間によって味が変化するという特徴があります。ウィスキーを「時間を飲む」と表現する人がいますが、紹興酒も同じように、その熟成期間による味の違いを楽しめるお酒です。およその熟成期間と、その味の特徴を見てみましょう。

・3年もの:少し酸味があり、辛口。

・5年もの:酸味に苦みが加わり、個性が強い。

・8年もの:香りが強くなり、まろやかさが加わる。

・12年もの:色が濃く、より味わいに深みが増す。酸味が少なくなり、まろやかさが増す

・15年もの:さらに味が深まり、強い余韻を感じられる味わいに。

・20年もの:とてもまろやか、余韻も深くうっとりとするような大人の味わい。

まだ熟成の浅い若い紹興酒のほうが酸味があり辛め、熟成期間が長くなるとともにとがった酸味や辛みがなくなり、深みやまろやかさ、余韻などが加わってきます。

紹興酒を料理に活用するには?

次のページ:紹興酒を料理に使ったときの味の仕上がりは?

初回公開日:2018年02月21日

記載されている内容は2018年02月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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