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【季節別】蚊の寿命|家の中/車内/気温/成虫/オス・メス

更新日:2020年08月28日

蚊は世界中に数千種類います。人間のそばで暮らしている蚊の多くは繁殖するために人間を刺して吸血します。小さな体をしている蚊の寿命は、一体どれくらいなのでしょうか。蚊から身を守るために知っておきたい蚊の生態や蚊の種類ごとの寿命をご紹介します。

【季節別】蚊の寿命|家の中/車内/気温/成虫/オス・メス

多くの種類の蚊が盛んに活動する春から夏にかけての季節は、家の中に侵入してくることも多いです。人間の気配を嗅ぎつけた蚊は、人間の洋服や頭髪に張り付いて屋内へ侵入してきます。光に吸い寄せられる種類の蚊は、戸外に漏れている光にひかれて壁や換気扇などのわずかな隙間から侵入します。

家の中に入り込んだ蚊の寿命は戸外で生きるよりも長くなりがちですが、蚊に刺されることを嫌う人によって退治されてしまう可能性が高いといえます。人間にはたかれて排除されたり、蚊取り線香や殺虫剤によって寿命を迎えることも多いです。

もし、家の中で人間に捕殺されたり殺虫剤を浴びたりすることがなく、25℃前後の室温の中で生活できたと仮定するなら、寿命は1~2ヶ月程度だと考えられます。

車内

蚊が車内に入り込んでしまうことがあります。狭い車内に入り込んだ蚊は、運転手や乗車している人の間を飛び回りうっとおしいことこの上ありません。しかし、車内に入り込んでしまった蚊の寿命は短いといえます。なぜなら、車内は狭い密閉空間であるため気温の変化が激しいからです。

とくに、夏場の車内にもぐりこんだ蚊の寿命は1日程度だと考えられます。夏場の日中の車内の温度は50℃近くなることもあります。冬場も屋外に放置された車なら生き延びることは難しく、本来の寿命をまっとうできません。

気温別蚊の寿命

蚊は春先から夏場に姿を多く見かけますが高温には弱い性質を持ちます。40℃以上の環境下では寿命が短くなる傾向があります。涼しい時期よりも夏場に活発に活動した蚊ほど寿命が短い場合が多く、成虫になって10日ほどで寿命を迎えることがあります。

また、冬場になると活動を停止したり寿命を迎えたりする蚊が多いですが、種類によっては寒さに強い蚊もいます。たとえば、チカイエカは寒さに関係なくほぼ1年中活動する蚊です。

蚊の種類と寿命

蚊は世界中に2,500~3,000種類がいます。蚊の起源は古く、恐竜たちが暮らしていた時代の化石の中にも見つかっています。

自然界で暮らしている蚊は他の昆虫の捕食対象となっていますが、都会で暮らしている蚊の種類には天敵が少ないため繁殖しやすいと考えられます。蚊の種類別の特徴や寿命の違いについてご紹介しましょう。

ヒトスジシマカ

ヒトスジシマカの体長は4.5ミリ程度で腹部や手足に黒と白の縞模様があることが特徴です。北海道や東北などの寒冷地を除く地域に生息しています。昼間にも活発に活動し、朝や夕方にとくに活発に飛び回って獲物を探す性質があります。家屋に浸入した際、夜中でも電灯がついていれば近くを飛び回るため注意しましょう。

人間だけでなく、ペットとして飼われている犬からも吸血することが知られています。メスだけでなくオスも繁殖行動を行なうために人から吸血します。卵がふ化してから大体1ヶ月程度で成虫になり、成虫になった後は30~40日間が寿命です。寿命を迎えるまで頻繁に繁殖行動を繰り返します。

ヒトスジシマカは人を見れば寄ってきます。デング熱ウイルスやフィラリアを媒介するため注意が必要です。家の周囲に発生源となる水たまりができる環境を作らないようにしましょう。

アカイエカ

アカイエカは日本中のいたるところで見られる蚊です。住居の周辺の水たまりや汚水で成虫になり人家に入ってきます。体長は5.5ミリ程度で茶褐色をしており、腹に黄色と茶褐色の縞模様があります。

蚊の活動時期は夏だけだと思われがちですが、アカイエカは越冬するため寒くなってからも姿を見かけることが特徴です。冬の間は縁の下や自然の洞穴といった暗い場所で冬眠し、4月になると活動を開始します。アカイエカのメスだけが冬眠し、オスは冬の間に寿命を迎えます。

アカイエカは卵の状態から1~2日で幼虫になり、およそ1カ月かけて成虫になります。夏に生まれたアカイエカのメスは越冬して春に産卵するため、半年近い寿命を生きることが特徴です。

チカイエカ

チカイエカはアカイエカとほとんど同じ見た目をしています。アカイエカから生まれた亜種だと考えられており、ビルの地下にある貯水槽や地下鉄構内など人間の近くを住処にしているため厄介な存在です。ビルの上層でも姿を見かけることがあり、都市部に暮らす人々を苦しめています。

チカイエカは生物から血を吸わなくても産卵可能な蚊ですが、1度目の産卵を迎えた後、2回目の産卵を行なうために生物の血を求めて飛び回ります。アカイエカとの大きな違いは活動時期にあります。チカイエカは寒さに強く、冬が来ても活動する蚊です。

卵からふ化して1ヶ月ほどで繁殖行動を行ない、交尾後のオスはすぐに寿命を迎えます。メスは寿命が尽きるまでの間に10日に1回程のペースで産卵を繰り返すことが特徴です。

コダカアカイエカ

コダカアカイエカの体長は4.5ミリ程度で、アカイエカよりもひとまわり小さいことが特徴です。体は暗い褐色をしており、腹部に黄色と白の縞模様が見られ、口から伸びる吸血用の管の中央には白い帯状の模様があります。一晩中でも飛翔できる能力を持っており、獲物が見つかるまで長い距離を移動します。

コダカアカイエカは日本全土で活動し、水田や茂みなどに生息しています。昼間は草むらに隠れ、夜間になると活発に飛び回って獲物を探し始めます。光に引き寄せられる性質を持っており、夜間に戸外に漏れる光に吸い寄せられるように侵入するため夜間に窓を開けるときは網戸の使用が欠かせません。

コダカアカイエカは人間以外にも豚や牛といった家畜を刺すことが特徴です。1960年代には日本脳炎を広範に発生させ、家畜から人へウイルスがうつるとウイルスを変異させ増殖させてしまう危険があることを世に広く知らしめることになりました。

季節別蚊の寿命

蚊の寿命の長さは、どのような活動をするかに左右されます。活発に活動する期間が長いほど寿命が短くなり、休眠する期間が長ければ寿命が長くなることがわかっています。

また、蚊の活動時期は種類によって異なることが特徴です。多くの蚊が春~夏に活発に行動し繁殖を行ないますが、中には冬の間も活動する種類もいます。生まれた季節や繁殖状況によって蚊の寿命が異なることを覚えておきましょう。蚊の季節別の寿命の違いについてご紹介します。

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初回公開日:2018年01月14日

記載されている内容は2018年01月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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